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福岡地方裁判所 平成8年(行ウ)17号 判決 1999年3月25日

福岡市博多区竹下四丁目一二番一八―三〇三号

原告

小林造園建設株式会社

右代表者代表取締役

小林繁隆

右訴訟代理人弁護士

小野山裕治

福岡市東区馬出一丁目八番一号

被告

博多税務署長 濱本文雄

右訴訟代理人弁護士

辻井治

右指定代理人

和多範明

岩本隆志

山崎元

森本凡

内野清久

坪根弘

主文

一  原告の請求をいずれも棄却する。

二  訴訟費用は原告の負担とする。

事実及び理由

第一原告の請求

一  被告が原告の平成元年一〇月一日から平成二年九月三〇日までの課税期間の消費税につき平成五年九月二九日付けでした更正処分のうち、課税標準額金一億一〇七二万三〇〇〇円、納付すべき税額金六六万四三〇〇円を超える部分及び過少申告加算税賦課決定処分(ただし、いずれも、審査裁決により一部取り消された後のもの)を取り消す。

二  被告が原告の平成二年一〇月一日から平成三年九月三〇日までの課税期間の消費税につき平成五年九月二九日付けでした更正処分のうち、課税標準額金三億三四二六万一〇〇〇円、納付すべき税額金二〇〇万五五〇〇円を超える部分及び過少申告加算税賦課決定処分を取り消す。

三  被告が原告の平成元年一〇月一日から平成二年九月三〇日までの事業年度の法人税につき平成五年九月二九日付けでした更正処分及び過少申告加算税賦課決定処分を取り消す。

第二事案の概要

本件は、被告が原告に対してした、<1>平成元年一〇月一日から平成二年九月三〇日までの事業年度(以下「平成二年九月期」という。)の法人税に係る更正(以下「本件法人税更正」という。)及び過少申告加算税の賦課決定、<2>平成元年一〇月一日から平成二年九月三〇日までの課税期間(以下「平成二年課税期間」という。)及び平成二年一〇月一日から平成三年九月三〇日までの課税期間(以下「平成三年課税期間」といい、平成二年課税期間及び平成三年課税期間を併せて「両課税期間」という。)の消費税に係る更正(以下、平成二年課税期間の消費税に係る更正を「平成二年消費税更正」といい、平成三年課税期間のそれを「平成三年消費税更正」といい、両者を併せて「本件消費税更正」という。ただし、平成二年消費税更正については、裁決により一部取り消された後のものである。以下、過少申告加算税の賦課決定についても同じ。)及び過少申告加算税の賦課決定(以下、右全部の処分を併せて「本件課税処分」という。)について、原告がこれらを不服として、その取消しを求めている事案である。

一  争いのない事実

1  原告は、造園工事業を営む同族会社である。原告は、平成元年一月八日、株式会社素鶴園(以下「素鶴園」という。)、株式会社藤吉園芸場(以下「藤吉園芸場」という。)、株式会社窪田造園(以下「窪田造園」という。)、有限会社原田緑地建設(以下「原田緑地建設」という。)及び橋本正寿と共に、佐藤工業株式会社(以下「佐藤工業」という。)が施工する福岡センチュリーゴルフクラブ建設工事に係る植栽工事ほか(以下「本件植栽工事」という。)を受注して施工するために、甘木緑化企業体(以下「本件企業体」という。)を結成し、その代表者となった。

本件企業体の各構成員の出資割合は、各六分の一である。

2  確定申告から審査裁決に至る経緯は、別表一ないし三記載のとおりである。

二  本件課税処分の適法性についての被告の主張

(本件法人税更正について)

1 本件企業体は、民法上の組合(以下「組合」という。)に該当し、これにより生じた権利義務は、各構成員に直接的に帰属していることになる。

したがって、本件企業体が行った営業活動の結果生じた利益又は損失のうち六分の一に相当する金額は、各構成員の益金又は損金として各構成員に帰属している。

2 利益金額の収益計上時期

本件企業体の損益計算について見ると、平成二年九月期及び平成二年一〇月一日から平成三年九月三〇日までの事業年度(以下「平成三年九月期」という。)中に行われた本件企業体の損益計算は、その都度構成員の全員が承認している。

本件企業体は、毎年一回以上一定の期間に損益の計算が行われ、各構成員に報告されると共に、その都度構成員全員が承認しており、本件企業体の計算期間の終了した日に事業活動の成果である収益は実現している。

したがって、本件企業体の構成員の本件企業体に係る損益は、右計算期間の終了した日の属する各構成員の事業年度の益金の額又は損金の額に算入することとなるというべきである。

3 平成二年九月期の法人税の所得金額

原告の平成二年九月期の所得金額は、本件企業体の平成二年五月三一日現在の会計報告(以下「平成二年五月期報告」という。)の累計額に基づく次の金額を、確定申告書に記載された所得金額に加算、減算して計算すると七七九五万八七〇八円になる。

(一) 所得金額に加算するべき金額

(1) 本件企業の益金の額

<1> 造園工事売上高 五二億一三八八万九九五三円

<2> 営業外収益 二五七一万六七九〇円

<3> 平成二年五月三一日までの計算期間における売上げの一部と認められる仮受消費税 四五五三万一一二六円

<1>ないし<3>の合計額 五二億八五一三万七八六九円

(2) 本件企業体の損金の額

<1> 造園工事原価計 四八億五五三四万一八三一円

<2> 右原価に計上された各構成員への既分配額 一億〇八〇〇万円

<3> 管理業務費 一八〇〇万九一六六円

<4> 営業外費用 四四五万一三四七円

<1>-<2>+<3>+<4>= 四七億六九八〇万二三四四円

(3) 本件企業体の利益金額

前記(1)の益金の合計額五二億八五一三万七八六九円から前記(2)の損金の合計額四七億六九八〇万二三四四円を控除した五億一五三三万五五二五円

(4) 原告の益金に加算するべき金額

<1> 前項の利益金額に原告の本件企業体に対する出資割合である六分の一を乗じた金額 八五八八万九二五四円

<2> 原告は、消費税の経理処理の方式について税抜経理方式をとっているから、この金額に一〇三分三を乗じて算出した消費税相当額(仮受消費税) 二五〇万一六二八円

<1>-<2>= 八三三八万七六二六円

(二) 所得金額から減算すべき金額

(1) 消費税に係る損金算入額

ア 原告の消費税の経理処理

原告は、簡易課税制度の適用を受けている。

また、消費税の経理処理は税抜処理方式を採用している。

イ 原告の法人税の所得金額計算上における損金に算入することのできる消費税

原告は、本件企業体に係る売上げ(消費税に相当する額を含めた課税資産の譲渡等の対価の額をいう。以下「課税売上(税込)」という。)を平成二年課税期間の消費税の申告に当たり課税標準の計算に全く含めていない。

そこで、平成二年五月報告の累計額を基に本件企業体に係る課税売上(税込)を含めて同課税期間の消費税額を計算すると次のとおりとなるので、原告が新たに損金に算入することのできる消費税額は二一九万九九七二円である。

A 本件企業体に係る消費税の課税売上(税込)

<1> 造園工事売上高 五二億一三八八万九九五三円

<2> 消費税法の適用日前の売上高と認められる額 三億三八七六万五〇〇〇円

<3> 雑収入 一五二万三四五五円

<4> 仮受消費税 四五五三万一一二六円

(<1>-<2>+<3>+<4>÷六= 八億二〇三六三二五五円

B 本件企業に対する課税売上(税込)のうち内部取引として控除すべき金額

本件企業体の各構成員が本件企業体との間で取引を行った場合における当該取引金額で課税売上(税込)とされる金額のうち、出資の割合である六分の一を当該金額に乗じて算出された金額については、消費税法に規定する簡易課税制度適用の可否判定や課税売上割合の算出をするに当たっては、各構成員自身に対して行ったと認められる取引金額を課税売上高(税込)から控除して計算する。

前記Aの本件企業体の計算期間に対応する原告の本件企業体に対する課税売上(税込)は、七九四八万一六〇〇円であるから、その六分の一に相当する一三二四万六九三三円が控除される。

C 原告の平成二年課税期間の課税標準額

<1> 前記Aの金額 八億二〇三六万三二五五円

<2> 前記Bの金額 一三二四万六九三三円

<3> 原告が確定申告書に記載した課税売上高(税抜) 一億一〇七二万三八八五円

(<1>-<2>)×(一〇〇÷一〇三)+<3>= 八億九四三三万一九六四円

したがって、課税標準額は八億九四三三万一〇〇〇円となる。

D 原告の損金に算入することのできる消費税額

前記Cの課税標準額に簡易課税制度を適用して算出された平成二年課税期間の消費税額は、五三六万五九〇〇円であるから、原告が既に納付している消費税額六六万四三〇〇円との差額四七〇万一六〇〇円が新たに納付すべき消費税額になる。

原告は、その確定申告書で、仮受消費税の金額から仮払消費税の金額を控除した金額と簡易課税制度を適用して算出した納付すべき消費税額との差額二七万〇五〇八円を、その納付すべき消費税額が大であるとして損金に算入している。

したがって、右の新たに納付すべき消費税額四七〇万一六〇〇円と前記(一)の(4)で新たに生じた消費税相当額(仮受消費税)二五〇万一六二八円との差額二一九万九九七二円が新たに損金に算入することのできる消費税額となる。

(2) 寄付金の損金算入不足額

法人が各事業年度において支出した寄付金の額の合計額のうち、その法人の資本等の金額又は当該事業年度の所得の金額を基礎として、一定の算式により計算した「損金算入限度額」を超える部分の金額は、その法人の各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入しないこととされている(法人税法三七条二項、同法施行令七三条一項ないし三項)。

原告は、平成二年九月期の法人税確定申告書における所得金額の計算に当たり、同事業年度中に支出した寄付金一二万円のうち、一一万三七五〇円を損金不算入としている。

しかしながら、前記(一)及び(二)の(1)のとおり、原告の寄付金の損金算入限度額の計算の基礎となる所得金額が変動(増加)するため、法令に従って別表四のとおり再計算すると、寄付金の損金算入限度額は、九八万二一八四円となり、原告が、同事業年度中に支出した寄付金の額は全額損金に算入してよいことになる。

したがって、原告が損金不算入としていた一一万三七五〇円は損金に算入されることになり、同事業年度の所得金額からも減算される。

4 平成二年九月期の納付すべき法人税額

平成二年九月期の納付すべき法人税額は、以下に述べる金額を加算、減算した金額となる。

(一) 原告の所得金額七七九五万八七〇八円に対する税額は、三〇三〇万三二〇〇円となる。

(二) 同族会社が、各事業年度の所得を留保した場合において、その留保金額が一定の限度額を超えるときは、通常の法人税のほかに、その超える金額に応じて、特別税率による法人税が課されることとなっている(法人税法六七条)。

これを原告についてみると、原告は同族会社であり、法人税法六七条の同族会社の特別税率の規定が適用されることから、別表五のとおり計算すると、前記(一)の法人税のほかに一四〇万九七〇〇円の法人税が課されることとなる。

(三) 右(一)と(二)の法人税の合計額は三一七一万二九〇〇円となり、右金額から法人税法六七条に規定する所得税額三九六四円を控除した後の金額三一七〇万八九〇〇円が納付すべき金額となる。

したがって、本件法人税更正により納付すべき税額(三一五七万一八〇〇円)は、右金額の範囲内であるから、本件法人税更正は適法である。

5 本件法人税に係る過少申告加算税の賦課決定について

本件法人税に係る過少申告加算税の賦課決定は、前記のとおり、本件法人税更正により、原告は申告納税額のほかに新たに税額を納付すべきことになったため、被告において、右増差税額につき、国税通則法六五条一項及び二項に基づき過少申告加算税を賦課決定したものであり、また、本件法人税更正により納付すべき税額の計算の基礎となった事実には、同条四項に規定する正当な理由があるとは認められない。

したがって、被告が行った本件法人税に係る過少申告加算税の賦課決定は適法である。(平成二年消費税更正及び過少申告加算税の賦課決定について)

1 原告の本件企業体に係る消費税の課税売上(税込)

平成二年課税期間の更正は、原告の申告に基づく課税売上(税込)に、次の各項で述べる課税売上(税込)を加算及び減算して、原告の課税売上(税込)を計算し、それを基として課税標準及び納付すべき税額を算定の上、更正したものである。

(一) 本件企業体は、組合に該当するものと認められるところ、各構成員の出資額は、それぞれ一〇五万円の均等額であることから、各構成員の出資の割合は六分の一となり、本件企業体が行った営業活動の結果により生じた売上金額についても、その六分の一に相当する金額は、各構成員に帰属することになる。

したがって、消費税についても、本件企業体の課税売上金額の六分の一に相当する金額を原告の消費税に係る課税売上(税込)として両課税期間に加算することになる。

(二) 本件企業体に係る課税売上(税込)の計上時期は、法人税と同様に解すべきであるから、本件企業体の計算期間の終了の日の属する課税期間とするのが相当であり、各課税期間における本件企業体の会計報告に基づく課税売上(税込)の六分の一が原告のそれぞれの課税期間の課税売上(税込)となる。

したがって、原告の本件企業体に係る課税売上(税込)の算定に当たっては、平成二年課税期間については平成二年五月期の累計額から消費税法適用日前の売上金額を減算し、平成三年課税期間については平成三年五月報告合計額により計算することになる。

2 平成二年課税期間の課税標準額及び納付すべき税額は、前期(本件法人税更正について)の3の(二)の(1)のイのC及びDのとおり、課税標準額は八億九四三三万一〇〇〇円、納付すべき税額は五三六万五九〇〇円となる。

したがって、平成二年消費税更正は、適法である。

3 平成二年課税期間の本件消費税に係る過少申告加算税の賦課決定について

平成二年課税期間の本件消費税にかかる過少申告加算税の賦課決定は、平成二年消費税更正により、申告納税額のほかに納付すべき新たな税額が発生したため、被告において、その増差税額につき、国税通則法六五条一項及び二項に基づき過少申告加算税を賦課決定したものであり、また、平成二年消費税更正により納付すべき税額の計算の基礎となった事実には、同条四項に規定する正当な理由があるとは認められない。

したがって、被告が行った本件消費税に係る過少申告加算税の賦課決定は適法である。

(平成三年消費税更正及び過少申告加算税の賦課決定について)

1 平成三年消費税更正は、平成二年消費税更正と同様に、更正したものである。

(一) 平成三年課税期間の課税売上

(1) 本件企業体に係る課税売上(税込)

<1> 造園工事売上額 九億六二三三万四七三五円

<2> メンテナンス造園工事売上額 一億三四三〇万一一七八円

<3> 植木売上額 二億一五二四万五九四一円

<4> 営業外収益の雑収入 六三四万七七二〇円

<5> 仮受消費税額として平成二年五月三一日現在の貸借対照財産表に記載された金額四五五三万一一二六円と平成三年五月三一日現在の貸借対照財産表に記載された金額七八五四万〇一一九円の増加差額 三三〇〇万八九九三円

<6> (<1>+<2>+<3>+<4>+<5>)÷六= 二億二五二〇万六四二七円

<7> 原告が当課税期間に本件企業体への課税売上として申告している金額 八三〇〇万円

<6>-<7>= 一億四二二〇万六四二七円

(2) 内部取引における課税売上(税込)

原告の平成三年課税期間の本件企業体に対する課税売上(税込)は、六六六五万二一八二円であるが、右金額の六分の一である一一一〇万八六九七円は原告に帰属するものであり、内部取引として原告の課税売上(税込)から控除すべきものであるから減算する。

(3) 甘木緑化企業体甘木班(以下「甘木班」という。)から受領した工事利益金(税込)

ア 甘木班の法的性格、利益金額の計上時期

原告は、窪田造園、原田緑地建設及び橋本正寿と共に、甘木班を結成し、本件企業体の共同下請けとして、クラブハウス回り植栽工事、センチュリー駐車場植栽工事(以下これらを併せて「クラブハウス等工事」という。)及び3・4法面修景植栽工事(以下「法面工事」という。)を行った。

甘木班の法的性格は、組合である。

原告の甘木班にかかる課税売上(税込)の計上時期については、その計算期間の終了の日に自己の事業活動の結果たる損益が、会計処理上、手続的具体的に確定し、実現したことになるから、甘木班の計算期間の終了の日の属する課税期間の課税売上(税込)に計上するのが相当である。

甘木班が施工したクラブハウス等工事及び法面工事の計算期間の終了の日は、平成三年課税期間の翌課税期間以降であり、甘木班から受領した工事利益金の課税売上(税込)に計上すべき時期は、平成三年消費税更正の翌課税期間以降となる。

イ 甘木班から受領した工事利益金

原告は、平成二年課税期間及び平成三年課税期間に合計一九五〇万円を甘木班の工事利益金として受領し、これを平成三年課税期間の課税売上(税込)として計上している。

しかしながら、この工事利益金は、甘木班として行った工事に係る積算金の前受金であり、課税資産の譲渡等の対価ではないので、当該課税期間の課税売上(税込)として計上すべきではない。

したがって、平成三年課税期間の課税売上(税込)から減算する。

(4) 課税売上高

平成三年課税期間の課税売上高は、原告が確定申告書に記載した課税売上高三億三四二六万一三八八円に、前記(1)の金額一億四二二〇万六四二七円から前記(2)の金額一一一〇万八六九七円及び前記(3)の金額一九五〇万円を控除した後の金額に一〇三分の一〇〇を乗じて算出した金額一億〇八三四万七三一〇円を加えた金額四億四二六〇万八六九八円となる。

(二) 課税標準額及び納付すべき税額

平成三年課税期間の課税標準額は、右課税売上高の千円未満の端数を切り捨てた金額四億四二六〇万八〇〇〇円となる。

納付すべき税額は、右金額に簡易課税制度を適用して算出すると二六五万五六〇〇円となる。

以上の結果、平成三年消費税更正による納付すべき税額(二六四万五八〇〇円)は、右金額の範囲内であるから、右更正は適法である。

2 平成三年課税期間の本件消費税に係る過少申告加算税の賦課決定について

平成三年課税期間の本件消費税にかかる過少申告加算税の賦課決定は、平成三年消費税更正により、申告納税額のほかに新たに税額を納付すべきこととなったため、被告において、その増差税額につき、国税通則法六五条一項及び二項に基づき過少申告加算税を賦課決定したものであり、また、平成三年消費税更正により納付すべき税額の計算の基礎となった事実に、同条四項に規定する正当な理由があるとは認められない。

したがって、被告が行った本件消費税賦課決定は適法である。

三  本件課税処分の違法事由についての原告の主張

1  本件企業体の法的性格

被告が行った本件課税処分は、本件企業が行った取引の全ての権利義務が六分の一の割合で各構成員に帰属することを前提としている。

しかし、本件植栽工事等は、京都通信機工業から直接受注したもので、佐藤工業から受注したのは平成二年四月以降であったし、また、各構成員の責任による単独分担施工と企業体の共同施工の二つの部分に分けて施工されていた。

本件企業体設立の協定書が作成されたのは、平成二年二月中旬頃であって、本件企業体は、佐藤工業九州支社からの仮払金の出金について社内経理を明確にしたいとの要請に基づく形式的なものであった。

本件企業体の目的は、各自の責任で単独分担施工を行った構成員からの依頼を受けて工事代金の請求、集金業務を代行し、収受した金員を請求金額に応じて各構成員に分配すること、及び植栽工事後の施肥、剪定等の保守管理を内容とする共同施工を行うことにあった。前記協定書は、単なる形式を整えたものであって、その実態は、発注者京都通信機工業及びその後の発注者佐藤工業に対する六社の植栽工事等にともなう共同連帯責任と損益の帰属割合を示したものにすぎず、各構成員が施工した請負工事の取引を示すものではない。

したがって、本件課税処分は適法とはいえない。

なお、被告は、長崎県南高来郡小浜町雲仙三八一雲仙半水廬新築工事に関係した造園工事(以下「雲仙造園工事」という。)において、佐藤工業から受注した本件企業体にかかる課税売上高について、その六分の一に相当する課税売上高を各構成員に帰属させる処理を行っていない。

2  二重課税

被告は、本件消費税更正において、原告の申告した課税売上高の他に、本件企業体の課税売上高の六分の一に相当する金額が原告に帰属すると主張している。

被告が、原告の売上金額以上のものを売上金額として主張することは、一つの取引について第三者が取引を行った請求、集金代行業務を別個独立の取引とみなすことによって、同一の取引に二重の課税を行なうことになるから、本件消費税更正は適法とはいえない。

3  収益の帰属時期

被告は本件企業体の計算期間の終了の日が属す期間を課税期間として、原告の平成二年課税期間を平成元年一月八日から平成二年五月三一日とし、平成三年課税期間を平成二年六月一日から平成三年九月三〇日とみなし、このような取扱が公正妥当な会計処理基準に適合すると主張している。

消費税の課税期間は、法人税法に規定する事業年度であるから(消費税法二条一項一三号及び一四号)、原告の平成二年課税期間は、平成元年一〇月一日から平成二年九月三〇日までであり、平成三年課税期間は、平成二年一〇月一日から平成三年九月三〇日までである。

課税期間は、法令に特別の定めのない限り、法人が定める事業年度と一致する(法人税法一三条一項)。

しかるに、被告の主張は法令に特別の定めがないのに、本件企業体の「会計報告」の期間によって、原告の課税期間を恣意的に変更するものである。

右取扱は、単に事務処理の簡素化に資する観点からの便宜上の取扱にすぎず、一般に公正妥当と認める会計処理基準によったものとはいえない。

したがって、本件課税処分はいずれも適法とはいえない。

4  損益計算の算定基準の不合理性

法人税法二二条四項は、法人の課税所得の計算要素である損益は、「一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従って計算されるもの」と規定している。

しかし、被告が損益計算の算定基準とする本件企業体の平成二年五月報告は、公正妥当な会計処理の基準に従って作成されたものではないから、右報告を算定基準として平成二年九月期及び平成二年課税期間について被告が行った本件課税処分は適法とはいえない。

第三当裁判所の判断

一  前提事実

証拠(甲一二、三〇、三一、乙六ないし一〇、一二、一七の1ないし24、一八、一九)及び弁論の全趣旨によれば以下の事実が認められる。

1  本件企業体設立の経緯等

昭和六一年頃、京都通信機工業にゴルフ場建設用地を売却した内山緑地建設等が、自己の売却した土地の造成、植栽工事を、京都通信機工業から個別に請け負い、京都通信機工業の指示に従って工事を行っていたが、内山緑地建設等は、造園能力に限界があって自己の力のみでは工事の完成は困難であるとの判断から、甘木地区造園業組合に応援を要請し、同組合はこれに協力することとした。その結果、後に本件企業体の構成員となる原告、藤吉園芸場、素鶴園の三社の他、平島造園等が参加して、植栽工事を施工した。

しかし、昭和六三年末頃、発注者である京都通信機工業が代金を支払わないので、右工事は中断した。

そのため、京都通信機工業からゴルフ場の造成工事を請け負っていた佐藤工業は、原告らに本件企業体を結成させて、出来高で請求を受け、それに対する注文書を発行し、現金で決済するという形で、工事を続行することとした。

そこで、原告は、平成元年一月八日付けで、素鶴園、藤吉園芸場、窪田造園、原田緑地建設及び橋本正寿と共に、佐藤工業が施工する本件植栽工事等を受注して施工するために、本件企業体を結成し、その代表者となり、右構成員は協定書(以下「本件協定書」という。)を作成した。そして、同日付けで作成された本件協定書第八条に基づく協定書には、各構成員の出資の割合が藤吉園芸場二〇パーセント、他の構成員が各一六パーセントと記載されたが、これは便宜上のものであり、実際は各六分の一の割合で出資した。

本件企業体は、平成元年一月から本件植栽工事に携わり、同年三月一〇日までには、本件協定書を佐藤工業に提出した。

本件企業体は、佐藤工業に対し、平成元年二月一五日に一億一二四六万五〇〇〇円、同年三月一〇日に一億円、同年四月に一億二六三〇万円の合計三億三八七六万五〇〇〇円を請求した。

佐藤工業は本件企業体の各構成員との個別取引はなく、佐藤工業の担当者は、本件企業体の内部で具体的にどのような工事をしていたのかは関知せず、平成元年五月一日付けないし同月四日付けの佐藤工業作成に係る作業予定日報・安全衛生日誌には、本件企業体が一単位業者として作業を行っていることを前提とする記載がある。

なお、素鶴園が、本件企業体の会計担当として、同企業体に係る総勘定元帳などの作成を行ない、また、本件企業体は、自らの名で、構成員以外の者との間の外注や仕入の取引を行っていた。

2  本件協定書の記載

本件協定書によれば、本件企業体は、造園建設事業を共同連帯して営むことを目的とし(一条)、各構成員は、造園工事の請負契約の履行に関し、連帯して責任を負うものとされ(一〇条)、原告が本件企業体における代表者とされ(六条)、構成員全員による運営委員会が設けられ(九条)、協定に基づく構成員の権利義務を他人に譲渡することはできないとされ(一五条)、工事中は発注者及び構成員全員の承認がなければ、本件企業体から脱退することができないとされ(一六条)、構成員の出資割合は、本件企業体の利益金配当や欠損金負担の計算の基礎とされている(一三条、一四条)。

3  本件企業体に係る利益金額の収益計上時期

平成三年九月期中に行われた本件企業体の損益計算は次のとおり行われ、その都度構成員全員が承認した。本件企業体の各構成員はこれらの会計報告を基に各企業年度の損益を計算した。

ア 平成元年一二月三一日現在の会計報告は、平成二年一月二〇日付けで、平成元年一二月三一日現在の貸借対照表及び昭和六四年一月一日から平成元年一二月三一日までの損益収支報告書により行われ、各構成員は、それぞれ一八〇〇万円を分配されたことを確認し、残余の分配可能額(一億〇三六九万四七四九円)は等分の間分配を差し控えることを承認した。

イ 平成二年五月報告は、同年七月二六日付けで、同年五月三一日現在の貸借対照財産表及び昭和六四年一月一日から平成二年五月三一日までの損益収支報告書により行われ、分配可能額(二億五八一〇万九六五〇円)のうち各構成員にそれぞれ三〇〇〇万円を分配し、残余はなお本件企業体に留保することを構成員は承認した。

なお、右損益収支報告書には、平成元年の一二か月分と平成二年一月から五月までの五か月分及びこれらの累計額が各勘定項目ごとに記載されている。

ウ 平成二年一二月三一日現在の会計報告は、同年一二月三一日付けで、同日現在の本件企業体の残高試算表により行われ、分配可能額のうち各構成員にそれぞれ五〇〇万円を分配し、残余はなお本件企業体に留保しておくことを構成員は承認した。

エ 平成三年五月三一日現在の会計報告は、同年七月八日付けで、同年五月三一日現在の貸借対照財産表及び昭和六四年四月一日から平成三年五月三一日までの損益収支報告書により行われ、分配可能額のうち各構成員にそれぞれ三〇〇〇万円を分配し、残余(九五八〇万八五五八円)は本件企業体に留保しておくことを構成員は承認した。

なお、右損益収支報告書には、平成元年一月から平成二年五月までの一七か月分と平成二年六月から平成三年五月までの一年分及びこれらの累計額が各勘定科目ごとに記載されている。

4  本件企業体と原告の取引について

本件企業体の各構成員から本件企業体への植木の売上及び本件植栽工事人夫派遣等について、本件企業体の総勘定元帳には、「植木仕入」及び「外注工賃」として計上され、本件企業体の構成員である原告の総勘定元帳においては、「植木売上」及び「ゴルフ場造園売上」として計上されていた。

5  雲仙造園工事について

平成二年から平成四年にかけて施工された雲仙造園工事は、本件企業体の構成員全員の共同施工ではなく、藤吉園芸場一社のみがこれに関与した。

原告を含む本件企業体の他の構成員は、雲仙造園工事の損益とは関係なく、右工事の受注総額の六パーセント相当額を構成員五名に均等に割り当てた金額を受領した。

そして、工事収入、工事原価、費用等について、本件全証拠によっても、本件企業体の総勘定元帳に計上され、本件企業体の会計報告に記載された事実はうかがわれず、前期割り当てられた金員についても、「雲仙半水廬新築工事共同企業体」との名称で会計報告が行われた。

二  本件企業体の性格について

1  前記のとおり、本件企業体の請負契約については構成員が連帯して責任を負うことになっていること、本件企業体の構成員である原告が本件企業体の代表者とされていること、各構成員の権利義務の譲渡及び本件企業体からの脱退が制限されていること、各構成員は各六分の一の共同出資者の関係にあり、構成員の出資割合が本件企業体の利益金配当や欠損金負担の計算の基礎とされていること、佐藤工業と本件企業体の各構成員との個別取引はなく、佐藤工業の担当者は本件企業体の内部で具体的にどのような工事がされていたのか関知していなかったこと、本件企業体は自らの名で本件企業体構成員以外の者と取引を行っていたこと等を総合すれば、本件企業体は組合に該当すると解される。そして、組合の場合、組合そのものは法人格を有しないから、権利義務の主体は組合員であることになり、したがって、本件企業体に生じた権利義務は、組合員である各構成員に直接的に帰属していることになる。

そうすると、本件企業体に対する各構成員の出資の割合は各六分の一であり、本件企業体の損益分配の割合は出資の割合によるのであるから、本件企業体が行った営業活動により生じた利益又は損失のうち六分の一に相当する金額は、各構成員の利益又は損失として各構成員に帰属することになる。

2  雲仙造園工事については、実際の施工は藤吉園芸場が単独で行い、その他の構成員は雲仙造園工事の損益とは関係なく一定額を受け取っており、その会計については本件企業体の会計報告にも記載がないのであるから、事業実態において雲仙造園工事と本件植栽工事等の間には相当の開きがあるといえ、本件課税処分における本件植栽工事等に関する部分の課税処理と、雲仙造園工事の課税処理を異にしたからといって、そのことから、本件課税処分が違法になるわけではない。

三  二重課税の有無について

1  消費税は、国内取引及び輸入取引を課税対象としている。国内取引とは、「国内において事業者が行った資産の譲渡等」(消費税法四条一項)をいい、「資産の譲渡等」とは、「事業として対価を得て行われる資産の譲渡及び貸付け並びに役務の提供」(同法二条一項八号)をいう。役務の提供とは、各種の契約により労務、便益その他のサービスを提供することである。

国内取引に係る消費税の納税義務者は、国内において課税資産の譲渡等を行った事業者(同法五条一項)である。この場合の事業者とは、個人事業者、法人及び人格のない社団等(同法二条一項四号、三条)をいい、組合は含まれないから、組合である本件企業体は、独立した納税義務者ではない。

そこで、消費税法基本通達一-三-一は、組合に関し共同事業に属する資産の譲渡等又は課税仕入等については、当該共同事業の構成員が、当該共同事業の持分の割合又は利益の分配割合に対応する部分につき、それぞれ資産の譲渡等又は課税仕入等を行ったことになるとして、共同事業の構成員が納税義務者となると規定している。

なお、通達を機縁として課税処分が行われたとしても、通達の内容が法の正しい解釈に合致するものである以上、法の根拠に基づく処分と解される。

2  本件企業体と原告を含む本件企業体構成員との取引は、一4で認定されたとおりであり、その事実によれば、右取引は売買契約又は工事請負契約であったということができる。

したがって、佐藤工業と本件企業体との取引及び本件企業体と原告との取引は、いずれも消費税の課税対象となるから、原告の主張する二重課税の問題は生じない。

すなわち、本件企業体から原告を含む各構成員が下請受注をした場合、本件企業体から下請受注した金額の六分の五が他の構成員に対する課税売上となる。原告が、本件企業体から下請受注した金額の六分の五を課税売上とした場合、原告以外の各構成員五者は、それぞれ本件企業体から下請受注した金額の六分の一を控除対象仕入額の計算上、課税仕入とすることができる。

その結果、構成員全員の実質的な課税売上に係る消費税の合計額は、佐藤工業から本件企業に対する受注総額に係る消費税額に一致する。敷衍すると、各構成員が佐藤工業に対してした取引による課税売上に係る消費税額に各構成員が他の構成員五者に対してした取引による課税売上に係る消費税を加算し、各構成員の他の構成員五者からの課税仕入に係る消費税額を減算した額は、佐藤工業から本件企業体に対する受注総額にかかる消費税額に一致する。

しかし、原告は簡易課税制度を利用しており(乙一一)、その場合には、前記のような等式は成立せず、原告には結果的により多い金額の納税義務が生じるが、これは簡易課税制度の性格上やむを得ないことである。

四  本件企業体に係る収益の帰属時期について

1  本件法人税更正について

(一) 法人税の所得金額の計算における収益計上時期について、法人税法二二条二項は、「内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上当該事業年度の益金の額に算入すべき金額は、別段の定めがあるものを除き、資産の販売、有償又は無償による資産の譲渡又は役務の提供、無償による資産の譲受けその他の取引で資産等取引以外のものに係る当該事業年度の収益の額とする。」とし、四項は、「第二項に規定する当該事業年度の収益の額及び前項各号に掲げる額は、一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従って計算されるものとする。」と定めている。四項の規定は、複雑、多様化し、流動的な経済現象については、税法によって一義的、完結的に対応することが適切でなく、健全な企業会計の慣行に委ねることが適切であるという趣旨で定められたものである。

したがって、右の趣旨に照らせば、同項の「一般に公正妥当と認められる会計処理の基準」とは、客観的な規範性をもつ公正妥当と認められる会計処理の基準という意味であり、企業会計原則のような明文化された特定の基準を指すものではないというべきである。

(二) 組合が行う事業は、複数の組合員が参加して行うものである。このような状況の下で、各組合員が自己の決算に際して組合にかかる損益を正確に自己の決算に反映させるためには、組合から適切な会計資料の提供を受けることが不可欠であるが、組合が事業年度の異なる組合員毎に組合の決算報告を行わなければならないとすると、その事務は極めて煩雑なものとなる。

このような事情から、組合のような事業形態においては、その組合に係る損益の帰属する時期を、組合の計算期間の終了する日の属する事業年度とすることが、組合員及び組合双方にとって便宜である。

(三) 本件企業体の損益計算について見ると、前期一3のとおり、本件企業体については、各会計年度ごとに損益の計算が行われ、各構成員に報告されると共に、その都度原告を含む構成員全員が承認している。しかも、右の会計報告以外に、本件企業体の経理内容が各構成員に対して示された事実は認められず、各構成員の事業年度に応じた会計報告も明らかにされていない。

(四) そうすると、原告の法人税の計算において、本件企業体の会計報告の各計算期間の終了する日の属する原告の事業年度中に収益が実現したとする取扱は、公正妥当な会計処理の基準に従って計算されたものということができる。

2  本件消費税更正について

(一) 消費税の納税義務は、課税資産の譲渡等をした時に成立する(国税通則法一五条二項七号)が、消費税法には、この「譲渡した時」についての定めはない。

したがって、資産の譲渡等の時期は、法人税等の収益計上の時期と同様に解すべきであり、<1>資産の譲渡等については引渡しのあった日、<2>役務の提供については、目的物の全部を完成して引渡した日又は役務の全部を完了した日、<3>資産の貸付けについては使用料等の支払いを受けるべき日を譲渡等した日とすることを原則としつつ、取引の実態に応じて現実的な判断基準によることになる。

(二) 複数の事業者が、民法六六七条の組合契約に基づく共同事業を営んでいる場合における、その共同事業としての資産の譲渡等は、前述のようにその共同事業に係る持分の割合又は利益の分配割合に対応する部分について、それぞれの構成員が行ったことになると解される。この構成員が資産等の譲渡等を行ったこととなる部分についての資産の譲渡等の時期は、現実にその資産の譲渡等が行われた時、すなわち、共同事業として資産の譲渡等を行った時が原則である。

しかし、現実には、共同事業として行った資産の譲渡等の内容が、逐次構成員に対して報告されることはまれであり、共同事業の計算期間に応じて一定の期間分をまとめて報告されるのが一般である。このため、構成員が、共同事業に係る資産の譲渡等について報告を受けたときは、その資産の譲渡等の時期に属する自己の課税期間に係る確定申告期限を過ぎていたという場合も生ずる。

そこで、共同事業の計算期間とその共同事業の構成員の課税期間が異なっている場合には、共同事業として行った資産の譲渡等はその共同事業の計算期間の終了する日の属する各構成員の課税期間中に行われたものとして取り扱うことが公正妥当な会計処理であると考えられる。

五  平成二年五月報告を算定基準とすることの適法性について

前記のように、平成二年五月報告は、本件企業体の会計担当である素鶴園が記帳した会計帳簿に基づいてなされ、構成員全員により承認されたこと、この報告に基づいて利益分配が行われたこと、本件企業体の各構成員はこの報告を基に各事業年度の損益を計算していたことによれば、平成二年五月報告は、一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従って作成されたものであると認められる。

六  本件課税処分の適法性について

証拠(乙一ないし三、八、一〇ないし一四)及び弁論の全趣旨によれば、第二の二の事実が認められ、本件課税処分は適法というべきである。

七  よって、原告の請求は、いずれも理由がないから、これを棄却することとし、主文のとおり判決する。

(平成一〇年一二月二四日口頭弁論終結)

(裁判長裁判官 古賀寛 裁判官 石原寿記 裁判官 田中一隆)

別表一

平成元年一〇月一日から平成二年九月三〇日までの事業年度の法人税

<省略>

別表二

平成元年一〇月一日から平成二年九月三〇日までの課税期間の消費税

<省略>

別表三

平成二年一〇月一日から平成三年九月三〇日までの課税期間の消費税

<省略>

別表四

寄付金の損金不算入額の計算

<省略>

別表五

同族会社の課税留保金額に対する税額

<省略>

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